新NISAの開始以降、「そろそろ投資を始めてみようかな」と考える方が増えています。
しかし実際には、「何に投資したら良いのかわからない」「情報が多すぎて選べない」と悩む初心者の方も多いのではないでしょうか。
インターネットやSNSでは、初心者向けの商品からリスクの高いものまで、さまざまな銘柄が紹介されています。その中から自分に合った投資先を選ぶのは、慣れていない方にとって難しいものです。
そこで本記事では、初心者におすすめの投資方法である「インデックス投資」について、仕組みやメリット・デメリット、失敗しないコツをわかりやすく解説します。
インデックス投資は、再現性高く資産を育てられる投資手法で「初めての投資」に最適です。資産形成の第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

これから購入するものを理解して投資することが大切です。
一緒に勉強していきましょう!
インデックス投資とは?
初めに、インデックス投資とはどのようなものか確認しておきましょう。
インデックス投資の基本
インデックス投資とは、「市場の値動きを示す指数(=インデックス)」と同じ値動きをするように投資する手法です。「インデックス」とは、「市場全体の動きを示す指数」のことで、ある地域や株式市場の動向を表したものです。
たとえば、日本株の代表的な指数に「日経平均株価」があります。日経平均に連動する投資信託は、日経平均の構成銘柄と同じように株式を組み入れることで、ほぼ同じ値動きをするように作られています。
このように、インデックス投資は指数の値動きに合わせて運用するため、複雑な判断を必要とせず、初心者でも仕組みを理解しやすい投資手法です。

アクティブ運用との違い
インデックス投資と対照的な投資手法に、「アクティブ投資」があります。インデックスファンドが「指数と同じ成果をめざす」のに対し、アクティブ投資は、「指数を上回る成果」を狙います。
アクティブファンドでは、ファンドマネージャーが独自に企業分析を行い、銘柄の売買を判断します。高い運用成績を狙える可能性がある一方、手数料などのコストは、インデックスファンドよりも高くなるのが一般的です。
代表的なインデックス
インデックス投資を理解する上で、代表的なインデックスについて確認しておきましょう。
| 地域 | 指数名 | 特徴 |
| 国内 | 日経平均株価 | 日本の代表的な225社で構成される株価指数。日本株市場の動向を示す。 |
| 米国 | S&P500 | 米国を代表する約500社で構成される指数。米国経済全体の成長を反映する。 |
| 全世界 | MSCI ACWI | 世界の先進国と新興国を幅広く含む指数。世界市場全体の動きを反映する。 |
日経平均株価は日本、S&P500はアメリカ、MSCI ACWIは全世界と、それぞれの市場の動向を表しています。これらの指数に連動する投資信託を購入することで、市場に幅広く投資することができます。
インデックス投資のメリット

続いて、インデックス投資のメリットについて確認してみましょう。
インデックス投資のメリットは、以下の4つです。
- 初心者にもわかりやすい
- コスト(手数料)が低い
- 分散投資できる
- 積立との相性がよい
順番に見ていきます。
初心者にもわかりやすい
インデックス投資は、指数と同じ値動きをめざす手法であるため、わかりやすいのが特徴です。
日経平均株価やS&P500は、ニュースで頻繁に紹介されます。そのため、「市場全体が上がれば自分の投資信託の値段も上がり、市場が下がれば自分の投資信託も下がる」というわかりやすい仕組みになっています。
初心者でも自身の投資状況を把握しやすい点は、インデックス投資の魅力です。
コスト(手数料)が低い
一般的に、インデックスファンドは、アクティブファンドと比べて運用コストが低く設定されています。
投資信託には、購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額といった手数料があります。インデックスファンドの多くは購入時手数料と信託財産留保額が無料です。
また、信託報酬もアクティブファンドより大幅に低いものが多く、長期で積み立てるほど低コストの強みが効いてきます。
低コストで運用できる点は、インデックスファンドの大きなメリットと言えます。
分散投資できる
インデックス投資では、1つのファンドを購入することで数百〜数千の銘柄に分散投資できます。
たとえば、日経平均株価に連動する投資信託を購入すれば、日本を代表する225社にまとめて投資できるため、個別投資に比べてリスクを大幅に抑えることができます。
多くの銘柄に分散してリスクを抑えることは、投資の基本です。1つのファンドを購入することで、分散投資ができるのは、大きなメリットと言えます。
積立との相性がよい
インデックス投資は、積立投資とも相性がよいです。
インデックスファンドは、多くが購入時手数料無料で、100円や1,000円といった少額から積み立てれます。
積立投資は、時間を味方にして資産を増やす王道の投資方法です。コツコツ続けることで着実に資産形成につながります。
インデックス投資は、初心者にとって始めやすく、続けやすい投資手法と言えるでしょう。
インデックス投資のデメリット

続いて、インデックス投資のデメリットについて確認していきましょう。
主なデメリットは次の3つです。
- 元本割れの可能性がある
- 短期間では大きな利益が出にくい
- 指標以上のリターンは得にくい
順番に見ていきます。
元本割れの可能性がある
インデックス投資も投資の一種であり、元本割れのリスクがあります。
たとえば、S&P500はリーマンショック時に約1年5ヶ月かけて下落し続けました。下落率は、最大で56.8%を記録しています。投資していた資産が半分以下になった期間です。
投資をする以上、暴落は必ず経験します。価格が大きく上下することを理解して、投資を始めることが大切です。

投資の基本は、長期・分散・積立投資です。
「一気に増やさず、コツコツ育てる」イメージを持つことが大切になります。
短期間では大きな利益が出にくい
インデックス投資は、市場平均の成果を目指す手法であり、短期間で大きな利益を狙う投資ではありません。個別株投資のように、短期間で2倍、3倍となるような成果を期待するのは難しい手法です。
一方で、長期的にインデックスファンドの成績を上回るアクティブファンドは、ごくわずかです。短期的に大きな利益を出すことは難しいですが、長期的には安定して実績を出しているのがインデックス投資の特徴です。
指標以上のリターンは得にくい
インデックス投資は、指数と同じ成果をめざすため、指数以上の成績を出すことは難しいです。
たとえば、S&P500を構成する約500銘柄の中には、株価が大きく上がっている企業もあれば、下落している企業もあります。将来有望な企業だけを選んで投資できれば指数を上回る成果を得られますが、インデックス投資では市場全体に広く投資するため、指数と同じ成績に落ち着きます。
指数以上のリターンを得にくいのもインデックス投資の特徴です。

インデックス投資はいくらから始められる?

では、インデックス投資は最低いくらから始められるのでしょうか。ここでは、始める際の最低金額と、積立金額の決め方について解説します。
最低100円から始められる
インデックス投資は、少額から始めることができます。証券会社によって最低金額が異なりますが、SBI証券や楽天証券などのネット証券では100円から積立を始めることができるようになっています。
まとまった資金がなくても、小さな金額からスタートできる点が魅力です。まずは無理のない範囲で投資をスタートしてみましょう。
積立金額の決め方
初めて投資をする場合は、少額から始めることをおすすめします。
投資を始めると、値動きが気になったり、もう少し金額を増やしてみようと思ったりと、自分のリスク許容度が見えてきます。
最初から大きな金額を積み立てて後悔しないよう、最初は小さく始めて、慣れてきたら少しずつ増やしていくのが長く続けるコツです。
インデックス投資の始め方
インデックス投資を始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。ここでは、具体的な口座開設の流れを順番に見ていきましょう。
投資信託口座を開設する
最初のステップは、証券会社で投資信託口座を開設することです。
証券会社によって取り扱うファンドが異なるため、購入したいファンドが買えるか事前に確認しておきましょう。
SBI証券や楽天証券は、取り扱い数が多く、オンラインで手続きが完結するため、初心者にもおすすめです。
また、より有利に運用するために、口座開設と同時にNISA口座の申し込みも済ませておくと良いでしょう。
口座に入金する
口座開設が完了したら、投資資金を証券口座へ入金します。
銀行口座からの振り込みや即時入金サービスなど、各証券会社で入金方法が選べます。
ファンドを探す
次に、購入するファンドを選びます。
投資信託には日本株式・米国株式・全世界株式などさまざまな種類があります。まずは、「どの地域に投資するのか」を決め、そのなかで手数料の低いファンドを探すと良いでしょう。
積立設定をする
インデックスファンドは、一括でも購入できますが、初心者のうちは積み立てから始めることがおすすめです。
積立投資は、毎月自動で買い付けを行うため、無理なく続けられます。引き落とし日や積立金額を設定し、資産形成を進めていきましょう。
インデックスファンドの選び方

最後に、インデックスファンドを選ぶ際の基準を紹介していきます。
選ぶときに意識したいポイントは次の3つです。
- 運用コストが低いファンドを選ぶ
- 純資産総額が大きいファンドを選ぶ
- 運用実績がよいものを選ぶ
順番に確認していきます。
運用コストが低いファンドを選ぶ
手数料などの運用コストは、できるだけ低いファンドを選びましょう。
投資信託のコストは主に次の3つです。
- 購入時手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
「購入時手数料」と「信託財産留保額」は無料のものを選ぶようにしてください。
信託報酬は、ゼロのファンドはありませんが、0.1%以下を目安にして探すと良いでしょう。
純資産総額が大きいファンドを選ぶ
次に、純資産総額を確認し、大きいファンドを選びましょう。純資産総額とは、ファンドが保有しているお金の合計額です。
純資産総額が大きいファンドは安定した運用がしやすく、規模が小さいファンドは途中で運用が終わってしまう(繰上償還)などのリスクがあります。
各ファンドの純資産総額は、ホームページや目論見書で確認できます。一定以上の規模があるファンドを選ぶようにしてください。
運用実績がよいものを選ぶ
最後に、過去の運用実績も確認しましょう。
優良な投資信託でも、短期間で見れば値下がりしていることもあります。
大切なことは、10年・15年という長い期間で右肩上がりになっているかということです。
運用実績も各ファンドのホームページや目論見書で確認できます。長期的に成長しているファンドを選びましょう。
おすすめのファンドを紹介
これまで紹介した基準を踏まえて、おすすめのファンドを紹介します。
ファンド選びの参考にしてください。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
アメリカを代表する企業で構成されるS&P500に連動する投資信託です。
2025年11月時点の信託報酬は、年率0.08140%と業界最低水準です。純資産総額は94,919億円と非常に大きく、NISAの購入ランキングでも常に上位に入る人気ファンドです。
世界経済の中心であるアメリカに投資するファンドです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
続いて紹介するのは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
「オルカン」の愛称で知られています。
2025年11月時点の信託報酬は、年率0.05775%と非常に低くなっています。純資産総額は85,352億円と大きく、新NISA開始以降はSNSを中心に話題のファンドとなりました。
日本を含む世界中の株式市場に分散投資でき、世界経済全体の成長を享受できます。
まとめ
インデックス投資は、日経平均株価やS&P500などの指数に連動する投資成果をめざす手法で、投資成果がわかりやすく、初心者でも始めやすいことが特徴です。NISAを活用すれば、非課税で効率よく資産形成を進めることもできます。
一方で、元本割れのリスクがあることや、短期間で大きな利益を狙う投資ではない点には注意が必要です。
特徴を理解したうえで、まずは少額から積立投資を始めてみましょう。
お金に困らない人生に向け、インデックス投資を上手に活用してみてください。

インデックス投資は、再現性高く資産を増やしていける投資手法です。
NISAと組み合わせれば、資産形成の心強い味方になりますよ。

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